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新泉コラム

診察のこと

診療内容

当院では、以下の診療内容に対応しております。

発達障害(自閉症スペクトラム、ADHD) 知的障害 不登校 選択性緘黙
うつ病 統合失調症 パニック障害 社交不安障害 強迫性障害 解離性障害 不眠症
各種依存症

自律神経失調症 過敏性腸症候群 起立性低血圧

症状によっては、森田療法、東洋医学的アプローチも可能です。

※診察中、担当医以外の医師、心理士、研修生が同席することがあります。

 

診療内容

はじめに(精神療法とは)

一般に,心の問題(パニック,不安,抑うつ等)を治療する方法には薬物療法と精神療法があります。精神療法とは,治療者が患者さんの物の考え方や生活習慣の改善のために,言葉を用いて,助言していく方法です。

森田療法とは

森田療法は,1919年に森田正馬(もりた まさたけ)によって創始された日本独自の精神療法です。
森田療法では,不安や抑うつ,心配などを患者さん自身が,本来,持っている力(自然治癒力)で,うまく対処できるように助言していきます。

そこで以下のような点を大切に考えています。

こころを操作しないこと

自分で自分の心を操作し思いどおりにしようとしないことです。そして,どんな不快な感情でも,そのままにしておけば消えていくことを体得することです。

待つこと

時の力を信じることです。待つことです。生活を整え,環境を選択し,自分なりに努力しながら、心身を自然の流れに任せることです。必ず,自分の心のもつ自然な治癒力が現われてきます。

治療方法

治療の具体的な方法としては,入院森田療法と外来森田療法(通院)があります。本院では,外来森田療法を中心に行います。外来森田療法では,主にカウンセリングや日記療法が用いられます。日記療法とは,患者が一日の体験を日記に記し,それに治療者がコメントを返すことによって,症状や不安に対する態度(心を操作しない,待つこと等)を身に付けさせます。

治療期間

個人差があります。早ければ3~6ヶ月の場合もあります。症状に対する態度を体得すれば,再発の可能性は激減します。

このような症状にお悩みの方に 

パニック・強迫・不安・抑うつなどにお悩みの方が対象となります。
具体的には以下のような症状があります。

・電車に乗るのが恐い。            ・他人の視線がとても気になる。
・人と上手く話せない,人と話すのが怖い。   ・何をするにも心配でたまらない。
・人前で赤面するのが恐い。          ・手のふるえが止まらない。 
・何度確認しても鍵を掛けたのか心配になる。  ・手洗いを何度もしてしまう。
・物事を几帳面にやらないと気が済まない,満足できない。 
・気分が落ち込む,憂鬱な気分が抜けない。   ・何もする気持ちが起きない。


森田療法では以下のような専門用語を使います。

思想の矛盾(しそうのむじゅん)

思想の矛盾とは,「こうあるべきだ」という理想にこだわり,自分の心身の自然な反応を「そうあってはならない」とそれを取り除こうとする認知のあり方です。これが元となり,精神交互作用が形成されます。

精神交互作用(せいしんこうごさよう)

人間は,ある感情(不安・緊張など)に意識を集中させると,その感情に対して敏感になります。その敏感になった感情により,さらに注意がその感情に向かうようになります。この感情と注意が相まって交互に作用することで,それらが増大するといった精神状態をいいます。また,この過程を森田は「とらわれ」と呼びました。

ヒポコンドリー性基調

森田は精神の状態と身体の状態が同時に起こると考えています。
ヒポコンドリーとは,不安・心配などの否定的な感情におちいると,身体の具合が悪くなり(みぞおちの辺りがザワザワする等),生理学的な身体症状が出やすくなるという,生理学的な現象です。それは主に素質から作られるものと考えられています。自律神経が乱れやすい傾向です。精神交互作用と同時に発生します。

事実唯真(じじつゆいしん)

事実唯真とは,「事実だけが実体のある真実である」ということです。事実とは体験を通して得られるもので,頭の中だけで理解したことは事実とはいえません。世の中のできごとをありのままに見ることを心掛けることが大切です。自分の思い込みなどで事実を歪めてはいけません。「面倒なことは嫌である」,「心配することは仕方ない。」というように,事実として,素直に感じることです。森田療法によって「思想の矛盾」や「精神交互作用」が打破されることによって事実をありのままに経験できるようになります。

感情の法則

感情の法則とは,森田が人間の「感情」の性質について述べたものです。精神交互作用を打破するためには,感情の法則を体験することが必要となります。
以下に,その中の3つを挙げます。

1, 感情はその刺激が継続して起きる時と,注意をそれに集中する時に増々強くなります。
2, 感情はその感覚に馴れるに従い,その鋭さを失い,次第に感じなくなっていきます。
3, 感情は,そのままにしておく,あるいは自然に生じるままにしておけば,強まったり,
弱まったりを繰り返しながら,あるレベルに達すると,ついには消失します。


生の欲望・死の恐怖

健康な「事実唯真」の立場に立つと,「生の欲望」「死の恐怖」の二つが健康に回復されます。森田は,欲望が恐怖を生むと考えました。人間の基本的な欲望は生存欲です。つまり,「生きたい」という「生の欲望」です。その欲望は「死ぬのはこわい」という苦悩,「死の恐怖」(不安など)を生みます。私たちの生きるという自然な欲望には,「死の恐怖」が最初から含まれていることになります。
「生の欲望」の具体例としては以下があります。

1.病気になりたくない,死にたくない,生きたい。
2.より良く生きたい,人に軽蔑されたくない,人に認められたい。
3.色々なことを知りたい,勉強したい。
4.偉くなりたい,幸福になりたい。
5.向上発展したい。

そして,これら「生の欲望」死の恐怖」を同時に体験するようになることが健康な精神の状態です。

◎森田正馬

森田療法を考案した森田正馬は1874年に生まれ,1938年に肺炎のため死去された。1898年,東京帝国大学医科大学入学,1903年,東京慈恵医院医学専門学校教授となる。森田療法の確立は1920年頃といわれている。1937年東京慈恵医科大学名誉教授。